あめみや眼科 (吹田市／千里丘駅)
雨宮 かおり 院長の独自取材記事
千里丘または岸辺駅からは徒歩約20分、阪急バス・山田南停留所からは徒歩1分のビルの2階に「あめみや眼科」はある。院長を務めるのは、各地の病院で臨床と再生医療の研究を経験した後、2014年4月にこの場所にクリニックを開業した雨宮かおり先生。直近の勤務先であった日本赤十字社和歌山医療センターでは「大好きな子どもの目の健康を守れるようになりたい」と、積極的に小児眼科の臨床経験を積んだという。伝わりやすい言葉と心地良い声で、相手の目を見てにこやかに話す雨宮院長に、自身の経歴やクリニックで力を入れている治療分野、小児眼科への想いや今後強化していきたいという多角的な眼科診療について、話を聞いた。
小児科と眼科の医師だった両親の影響から、医療の道へ
まずは、先生のご経歴について教えてください。
1998年に東海大学医学部医学科を卒業し、京都大学医学部附属病院の眼科教室に入局。そのまま京都大学医学部附属病院と小倉記念病院の眼科で約2年、研修医として勤務しました。その後、基礎研究の分野に興味が湧き、2000年に京都大学大学院に入学して幹細胞を利用して目の病気を治すための研究を行いました。でも、私には研究よりも臨床の現場で患者さんと接することのほうが向いていると感じて、大学院卒業後は現場に戻ったんです。研修期間が短かった分、大学院卒業後に勤務した大津赤十字病院や日本赤十字社和歌山医療センターではさまざまな眼科症例の診察や手術を通して鍛えていただき、医師としての経験を積みました。
なぜ、この場所での開業を決意されたのでしょう？
開業を決意したのは、父が体調を悪くしたことがきっかけです。私はずっと、当直も呼び出しもあるような勤務形態で働いていたのですが、職場にも患者さんにも迷惑がかかるし、この働き方では父に何かあったときに駆けつけるのが難しいなと思うようになって。もともと開業しようという考えはなく、勤務医を続けるつもりだったので悩みましたが、これまでに培った知識・技術を生かしつつ時間の自由がきく働き方をするために、開業を選びました。開業にあたりこの場所を選んだのは、両親が暮らす茨木市に近かったこと、そして1年以上かけていくつも物件を見た中で、最も「ピンときた」からです（笑）。建物の前の並木もすてきで、ここだ！と思いました。
先生が医師になられた理由や、きっかけを教えてください。
眼科の医師であった父、そして小児科の医師であった母の影響で、かなり早い段階から医師になろうと決めていました。特に、10年も専業主婦をしていたのにブランクを乗り越えて医師に復帰した母は、私の憧れであり目標でした。「女の人でもこんなふうに職を持てるんだ！」と、初めは母の背中を追いかけて小児科の医師をめざしていたんです。しかし医学部に入って勉強するうち、自分には内科よりも起承転結がはっきりとした外科的な分野のほうに適性があると気づいて。そこで、手術などを含む外科的な要素があり、大好きな子どもを診ることのできる耳鼻科か眼科で悩んだ末、最終的には父と同じ眼科を選びました。
地域の子どもたちの成長を、眼科医療でサポート
開業から約4年ですが、患者さんにはどのような特徴がありますか？
地域性として感じるのは、患者さんの「まじめさ」ですね。皆さん、こちらの説明を熱心に聞いてくれますし、継続的な治療が必要な場合などの次回予約も、きちんと守って来院くださいます。都合が悪くなったときも、前もって予約変更の相談をくださる方が多く、しっかり治療させていただけるのは本当にありがたいです。患者さんの年齢層としては、特にお子さんと高齢者が多い印象です。主訴としては視力やコンタクトに関する相談からドライアイ、加齢による白内障や緑内障、心因性の視力障害などさまざま。日帰り手術にも対応しています。実は開業当初の予測よりも多くのお子さんが来院されているのですが、私をはじめ当クリニックのスタッフはみんな子ども好きなので、たくさんの子どもさんに会えるのはうれしいですね。
お子さんの来院が多いということですが、小児眼科に力を入れておられるのでしょうか？
そうですね。斜視や視力が出ない、または心因性の視力低下に悩んで来院されるお子さんが多いので、小児眼科には力を入れています。具体的な内容としては、斜視や視力が出ないというお子さんにはゲーム感覚で楽しみながら目の使い方や動かし方を学べる、専用機器でのトレーニングなどをご案内していますよ。また、心因性の視力障害を発するお子さんには、児童心理を専門とする医院・医師へのご紹介を行っています。この地域の特性なのか、小学校低学年くらいから勉強や日常生活で感じるプレッシャーに対して心因性視力障害を発症するお子さんが多いんですよ。以前に勤めていた大津や和歌山で1年で診る人数を、1ヵ月で診ることもあるほどです。なお児童心理を専門とする機関の受診までには、当クリニックでも可能な限り、多角的な観点から治療をご提案いたします。
先生が医師として、患者さんと接する上で大切にしていることを教えてください。
まず、できるだけ専門用語を使わず、患者さんにわかっていただける言葉で説明することですね。そのために、病気や治療の説明をするときには、イメージしやすいよう図や模型を使って説明するようにしています。また、お子さんを診るときには、コンディションを鑑みてそのときにできる範囲で治療を進め、ご本人と親御さんにとって負担が大きくなりすぎないよう意識していますね。ぐずっているようなら、私や子育て経験のあるスタッフであやして、ちょっと気分を変えてみたりなど、工夫して診療にあたっています。子どもは毎日が成長なので、その日は検査できなくても、時間とともに治療できる範囲も増えてきます。緊急を要する症状でなければ、無理に急ぐ必要もありませんからね。
多角的な視点を持ち、地域医療に貢献していきたい
日々お忙しいかと思いますが、先生のリフレッシュ方法を教えていただけますか。
私、習い事マニアでして、趣味がたくさんあるんです（笑）。和歌山で働いていた頃から開業してしばらくの間は、踊るほうのバレエに夢中でした。でも、バレエのレッスンは1回2時間以上でまとまった時間が必要なので、近頃は通うのが難しくなってしまって。今は、息抜きとしてバイオリンと弓道に励んでいます。バイオリンは小さい頃から、弓道は高校時代からの趣味なのですが、また学び直してるんですよ。どちらも、一旦やめた習い事だったのですが、それぞれ教室のようなところに入って、教えていただいています。いろいろ経験して大人になった今だからこそ、楽しめているのかなと思いますね。
今後の展望を教えてください。
大きな病院の眼科でやれないような、多角的で臨機応変な治療をご提案できるようにしていきたいです。例えば、心因性の視力障害のお子さんに、漢方薬やアロマテラピーなど東洋医学的なアプローチをご案内したりとか。同業の父や小児神経科が専門だった母をはじめ、所属する吹田市医師会などの先生方からそれぞれの専門分野の知恵もお借りして、私の持つ眼科の知識・経験とうまくつなぎ合わせ、患者さんへの治療として還元していけたらなと。今はまだ模索中ですが、近い将来実現したいですね。
最後に、読者へのメッセージをどうぞ。
社会人として、家族を守る立場として、あるいは勉強を頑張る毎日の中で、目に痛み・かゆみ・不調を感じたら、まず当クリニックにご相談ください。疾患の原因をお探しし、必要な治療方法をご提案いたします。もし、当クリニックでは治療できない原因で・疾患であったとしても、次にどのように対処すべきなのか、治療に役立つ情報をご提供することはできます。当クリニックが、患者さんの不調の回復や安心に少しでも貢献できるなら、こんなにうれしいことはありません。子ども好きのスタッフが集まっているので、お子さんやお子さん連れのお母さん・お父さんのご来院も大歓迎です。ご自身やご家族の不調を相談する第一段階として、ぜひお気軽にいらしてくださいね。
