天神歯科クリニック (福岡市中央区／天神駅)
古岡 雅則 院長の独自取材記事
福岡市地下鉄空港線・天神駅から徒歩3分とアクセスの良い場所にある「天神歯科クリニック」。開業は1994年と開業30年を目前にした同院は、開業当時から通い続ける患者、そして天神地区で働く若い世代をはじめ、幅広い世代の患者が通う。穏やかで話しやすい古岡雅則院長のモットーは「見た目の美しさを重視した治療を行うこと」。患者の喜びを第一に考える院長はホワイトニングや矯正のほか、保険診療内でも行える審美面に配慮した治療を患者に提案しながら、再治療の可能性の少ない丁寧な治療を心がけている。長い付き合いの歯科技工士・矯正専門の歯科医師としっかりと連携を取りながら治療にあたっている同院の治療スタンスや、日々のケアのポイントなど、幅広い話を古岡院長に聞いた。
審美面に配慮した治療を、保険の範囲内で提供したい
「見た目の美しさを重視した治療を提案する」がモットーだそうですね。
当院には幅広い世代の方が通ってくださいますが、土地柄もあってか女性の患者さんが多く、ホワイトニングも人気ですね。近年、CAD／CAMシステムで作製するハイブリッドセラミックのクラウンとインレーの保険適用範囲が徐々に広がり、今は第一大臼歯まで可能になったので、かなり選択肢が広くなったと感じています。もちろん奥歯になるほど強度の調整も難しくなるため、私たちがしっかりと状態を吟味しながら適切な治療を提案していくことが大事です。また以前に比べてジルコニアなどの素材も費用をできるだけ抑えながら提供できるようにもなってきました。適用できる範囲や金額、そして患者さんのお口の状況に応じた提案をしていくことを常に心がけています。
ホワイトニングも患者さんにかなり喜ばれていて、機器も新しくされたとか。
当院ではクリニックで行う「オフィスホワイトニング」と自宅で行う「ホームホワイトニング」の併用を行っています。というのも、ホームホワイトニングを併用するほうがより自然な白さが期待できるからです。また前歯をジルコニアなどの素材で作る際には、ホワイトニングをした後の色と合わせるようにしています。開業当時からお世話になっているベテランの歯科技工士さんに作製をお願いしているのですが、作ってもらったものをそのまますぐに入れるのではなく、まず患者さんに見ていただき、色味や形などを調整し、納得いただいてからあらためて入れる流れにしているのも、やはり患者さんに喜んでいただきたいから。一度入れてしまうと壊すしかなくなるので、このひと手間を大事にしています。
ホワイトニングの際に患者さんが気をつける点などはあるのでしょうか？
色素が濃いもの、例えばチョコレートやカレー、お茶やコーヒーなども着色の原因になります。もちろん歯磨きができれば一番良いのですが、手軽にできるうがいの習慣をつけましょうとお伝えしています。当院ではメンテナンスの頻度を1〜2ヵ月間隔でお伝えしています。ホワイトニング後も定期的なメンテナンスを続けていただければ、後戻りした場合もホームホワイトニングを提案することができます。ホワイトニングに限らず、治療後も口腔環境を良好な状態に保つと、結果的に時間や予算の負担を抑えることにもつながります。しかしそれは、定期的なメンテナンスを続けてこそ可能だということを知っていただきたいですね。当院では、歯間ブラシやデンタルフロスなどその方に応じたケアの方法を歯科衛生士が適切にアドバイスしており、多くの方にメンテナンスの大切さを理解していただけたらうれしいですね。
治療時の痛みにも配慮し、状態を維持するための診療を
治療で大切にしている点は何でしょうか？
再治療がないよう、注意しながら日々診療にあたっています。福岡歯科大学病院に勤務している時には歯内療法学といって、歯の根っこにある病巣、感染した歯の神経などを除去する治療に取り組んでいました。そこで学んだのは、丁寧に治療をしておけば再治療のリスク軽減につながるということ。そうするとかぶせ物が摩耗したりすることがあっても、それだけを取り替えるという必要最低限の治療も可能になります。患者さんも治療がとても楽になりますよね。
患者さんの治療の受けやすさも重視しておられるのですね。
「これは患者さんが痛く感じるだろう」とおおよそ今までの経験から判断がつきますので、患者さんに一声かけ、早めに麻酔を使うこともあります。当院では圧縮空気の力で粘膜内に麻酔薬を噴射注入する、針がないタイプの注射筒を最初に使って、その後に通常の麻酔をするといったように、痛みを軽減するための工夫もしています。注射筒で噴射する時「ガシャン」と音がするのでちょっと大げさに聞こえるのが難点なのですが（笑）、歯を削るときやインレーを入れる際の治療でも活躍してくれますね。患者さんが治療を嫌にならない環境づくりも、クリニック側の大切な役割だと考えています。
矯正では専門の先生が来てくださるそうですね。
矯正は専門的な知識や技術が必要な治療。私個人としては二足のわらじではできないものだと考えており、専門の先生に来ていただくようにしています。来ていただいているのは開業時からずっと矯正を依頼しているベテランの先生で、患者さんのご都合に合わせてスケジュールを調整してくださいます。当院に来てくださる先生はワイヤー矯正を専門とされていますが、ワイヤー矯正だと歯磨きがしづらいというデメリットがあるんですね。矯正中はメンテナンスを行って大きな虫歯に進行させないことが大事なので、矯正と合わせて虫歯や磨き残しのチェックをしてメンテナンスを丁寧に行っています。矯正における私の役割はそこにあると考えています。また入れ歯の診療は私が行っています。入れ歯の作製は最初の型採りが何よりも大切なので、丁寧に型を採って、しっかりとお口に合うものを作らせていただきます。
信頼できて長く通えるかかりつけ歯科医として尽力する
セカンドオピニオンにも対応されているとか。
天神地区には歯科のクリニックも多いですし、自由診療になるとクリニックによって金額設定も変わります。「とあるクリニックではこのくらいの金額でしたが、先生のところはどうですか？」とお尋ねになる方もおられます。比較し、納得して治療に臨むことは非常に大事ですから、遠慮なくご質問いただければと思います。昨今私が懸念しているのが、インターネットの情報をうのみにし、間違った情報を真実だと信じ込んでしまっているケースです。難しい専門用語をしっかり理解せずに使っている方もおられますが、間違いを訂正し、適切な歯科治療の知識を患者さんに身につけていただけるよう導いていくのも、私たちの大切な役割なのではないかと考えています。
日常のセルフケアのポイントを教えてください。
歯磨きですが、まず注意して選びたいのは歯ブラシです。ある程度の固さを持ち、歯を一本ずつ磨くことができるものが良いです。歯磨き粉については、研磨剤の入った歯磨き粉は歯を傷つける可能性があり、発泡剤が入ったものは、泡でスッキリ感が得られるのはいいのですが、それでかえって磨き残しに気づきにくくなるので気をつけなければなりません。何もつけなくても、しっかり隅々まで磨けば十分に汚れを落とせますが、歯ブラシだけだとちょっと時間がかかります。ですので、歯磨き粉を少量使うとか、虫歯予防のうがい薬を併用するとか、歯間ブラシやデンタルフロスを一緒に使うなどすると良いでしょう。
読者へのメッセージをお願いします。
当院では、大きく口を開けて普通に話せるお口をめざして、見た目の美しさに配慮した治療を行っています。保険診療で負担なく治療を受けられるよう、価格面でも治療面でもいろいろと工夫をしていますので、気になることはお気軽にご相談ください。治療の際には、エックス線では見づらいこともありますから、パソコンで画像を見ていただいて、治療方針をご理解いただけるように詳しくお話をしています。待合室の雰囲気は美容院のような入りやすさをイメージして、待ち時間が長くならないよう予約制にするなど診療が受けやすい体制を整えています。予約は24時間、ホームページからも申し込めますから、気になることや困ったことがありましたら、気兼ねなくお問い合わせください。
