伊藤デンタルクリニック (横浜市栄区／大船駅)
伊藤 正尚 院長の独自取材記事
東海道本線をはじめ、湘南新宿ラインや横須賀線など、さまざまな路線が集う大船駅北口より徒歩3分。2000年に開院した「伊藤デンタルクリニック」は南国のイメージで統一された内装が印象的だ。アクセスに恵まれた立地を生かしながら、この地で20年以上、地域住民の歯の主治医として幅広い世代の健康を支えてきた同院。院長の伊藤正尚先生は親しみやすい人柄で、幅広い層の患者とのコミュニケーションを大切に、日々診療にあたっている。診療内容は、一般歯科治療はもちろん、インプラント治療や審美歯科、矯正歯科、口腔外科領域まで幅広く対応。その包括的な診療を行う背景には、診療科が細分化されている中、歯科だけでも通院の負担を減らせるように、という患者への想いもあったからだという。そんな伊藤院長に診療内容を中心に話を聞いた。
大事なことは、治療の先にある患者の健康
内装のイメージはハワイですね。
趣味がサーフィンだということもありまして、院内のBGMとしても活用しているハワイアン・ミュージックも、自宅や車の中では当たり前のように聴いています。治療の際の痛みや医療機器の大きな音、振動など、歯科医院のイメージにはいつも「怖い」とか「痛い」といったネガティブなイメージがつきまといますよね。それらを技術によって取り除く努力は怠りませんが、五感を癒やすことで不安を和らげることだって大いに期待できます。目で、耳で、鼻で、癒やしを感じていただいて、少しでも快適な時間を過ごしてもらえればうれしいです。また、すべて個室型の診療台になっていて、プライバシーもしっかりと守ることができます。一番奥のユニットでは、外科的な処置もできますので、インプラントの手術もここで行っています。縦に長い空間を生かせるように、ガラス扉を採用しましたので、圧迫感もなくいい雰囲気に仕上がったと思います。
幅広い年齢層の患者さんが来院されるそうですが、診療で大切にしていることは何ですか？
患者さんが何を求めているか、そして治療の先に患者さんの健康があることを常に考えて治療にあたっています。そのことを開院当初から来られている方はよく理解してくださっているので、今も定期的にメンテナンスを受けてくれる方が多いですし、親御さんがお子さんたちに正しいデンタルケアの習慣をしっかり引き継いでくれていてうれしく感じています。特に小さなお子さんは予防の習慣化が重要ですからね。高齢の方にはご自身の歯でいつまでもおいしい物を召し上がってもらうためのアドバイスをしています。歯も臓器の一つ。無理して使うと悪くなってしまいますので、使い方やケアが大事であることを患者さんには繰り返しお伝えしています。
メンテナンスを行うスタッフの皆さんについてもお聞かせください。
当院には歯科衛生士が4人いまして、30代～50代までのベテランぞろいです。一番長いスタッフは勤続18年。患者さんともすっかり気心が知れた仲ですね。赤ちゃんの頃からずっと成長を見守ってきていますからお子さんの対応も上手ですよ。患者さんと良い関係性を築いてくれているなというのはすごく感じています。お声がけ一つにしても各患者さんに寄り添った対応をしてくれているなと。スタッフ間においても意見を出し合いやすい風通しの良い環境であることが院内のアットホームな雰囲気につながっているんじゃないかなと感じています。また、患者さんに対してだけでなく、スタッフ同士であっても思いやりを持って接していることが、スムーズに診療できている要因の一つではないでしょうか。
虫歯から矯正、インプラントまで、包括的診療を強みに
インプラント治療も行っておられますが、院長ご自身が治療の経験者だそうですね。
20年以上前に不慮の事故で天然歯を失ってしまい、インプラントの口腔外科手術を受けました。そんな自分の体験もあって、失った歯を補う治療では、インプラントに力を入れています。また、インプラント治療技術をより向上させるために、年に数回、新しい治療技術を勉強しに海外に足を運んでいますし、国内のインプラント治療の勉強会にも所属しておりますので、自信を持ってインプラント治療をご提供させていただいています。少しでもインプラントにご興味がある方、入れ歯やブリッジでしっかりと噛めない方、義歯が気になって会話がうまくできない方は、ぜひ一度ご相談ください。
また、そのほかの治療も幅広く対応されていますが、どのような主訴で来院される方が多いですか？
メンテナンスで来院される方が非常に多く、3ヵ月後に予約を入れてお帰りになる方がほとんどです。それだけ歯に対する意識が高い方が増えたということですよね。1日に来られる方の半数以上がメンテナンスですから。どんなに良い材料、良い治療があっても、天然歯にかなうものはありません。当院はお子さんに限らず大人にもフッ素塗布を行っており、3世代で来られているご家庭もいます。横向きに生えている親知らずの抜歯も対応しています。それから、審美歯科もニーズが高く、使用する素材や期間などニーズに合わせ選択肢をご用意しています。当院の審美歯科は、見た目の美しさだけでなく噛み合わせなど機能面にも配慮して行っています。
矯正に関してはいかがでしょう。
小学生から80代の方まで、こちらも幅広い層のニーズがあります。矯正は若いうちにするものだと思われがちですが、高齢で行っても決して遅くはありません。整った歯並びは、見た目の美しさだけでなく、毎日のお手入れもしやすくなります。それは「自分の歯を大事にする」ということであり、よく噛める歯は健康な体づくりにもつながります。当院では歯の動きをコントロールしやすいワイヤー式の矯正をメインで行っています。お子さんの場合は第1期、第2期治療があり、第1期では歯と歯の間にスペースをつくって永久歯がきちんと生えるための土台を整えることをめざし、第2期で仕上げを狙うという流れになります。今はワイヤー式であっても目立ちにくい装置がありますし、従来よりも痛みが少ないといわれているワイヤーを使用するなど、痛みの軽減にも努めています。
予防をベースに、安定した口腔環境の維持をサポート
そもそも院長が歯科医師を志したきっかけは何だったのですか？
中学生の頃に自分が通っていた歯科クリニックで、先生から「将来は何になりたいの？」って聞かれたんですけど、特に考えていなくて（笑）。でも、逆にそういう質問をされて、自分はただの社会の歯車にはなりたくないと思っていたことに気がつきました。で、その時に思い浮かんだのが歯科医師だったんです。もともと釣りなどをよくやっていて手先を使う細かい作業は得意だったので、自分に向いているだろうなと思い歯学部に進みました。大学卒業後は、とにかくオールマイティーに治療ができる歯科医師をめざして研鑽を積みました。ぶれることなくずっとこの道にまい進していることを考えると、天職だったのかもしれませんね。幸せなことだと思います。
先ほど釣りのお話もありましたが、マグロ釣りがお好きだそうですね。
ええ、津軽海峡まで行きます（笑）。中学の頃からブラックバスを釣ったり、ルアーフィッシングをやったりしていまして、その延長でクロマグロにも興味が湧きましてね。やるからには極めたい性格なので、とことん責めます。マグロって本当に重いんですよ。小さくても20kgくらいありますからね。実は昨日もマグロ釣りに行っていました（笑）。それくらい釣りが大好きです。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
早いもので開院から20年以上たち、当時小さかったお子さんも社会人になり、健康な歯で過ごしてくれているのを見ると非常にうれしく思います。当院の治療のベースにあるのは予防なので、その習慣を小さな頃から育んでいれば、おのずと健康な口腔状態の維持につながります。それはいくつになっても自分の歯でおいしいものが食べられるということ。健康寿命の延伸にも直結します。歯科業界もデジタル化していますし、当院も導入してはいるものの、まだ完璧ではないので、今後はデジタル面にも力を入れていきつつ、患者さんが生涯にわたって安定した口腔環境を維持できるようお手伝いができたらなと思っています。
