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くらまえ診療所 (岐阜市/手力駅)

坂野 喜史 院長の独自取材記事

名鉄各務原線手力駅から徒歩約3分。農地が点在する住宅地にある「くらまえ診療所」は前院長が開業し、2019年4月に坂野喜史(ばんの・よしふみ)院長が継承した。建物はクリーム色に塗られた2階建て。院内は土足不可で一部バリアフリー化されており、エックス線やCT、超音波、胃カメラなどの検査設備やリハビリテーション室を備えている。坂野院長は、総合病院で約15年間消化器内科に勤務した経験を持つ医師で、培った研鑽を生かし、胃カメラ検査などの消化器内科をはじめ、内科全般の診療にも注力。「患者一人ひとりと丁寧に向き合うことを大切にしたい」と話す坂野院長に、院長に就任した経緯や診療方針を語ってもらった。

子どもの頃から知っていた前院長の誘いで院長に就任

院長に就任された経緯を教えてください。

ここは1988年に「工藤医院」として開業し、後に地名をつけた「くらまえ診療所」と名称変更しました。前院長の工藤修三先生のことは、縁あって子どもの頃から存じ上げていました。それで工藤先生が引退を考えられた時に、この診療所を引き継がないかと申し出をいただいたんです。僕も医師として将来は開業して、地域医療に携われたらと考えていたので、2017年から副院長として診療に加わり、2019年4月に院長に就任しました。工藤先生のご希望もあり、最低5年間ほどは一緒に診療を続ける予定でしたが、前院長が数年前に急逝しまして。患者さんに慕われていた先生だったのでとても残念なことですが、現在はそんな工藤先生のご遺志を継いで1人で診療しています。

院長に就任されてから診療内容に変更はありましたか?

発熱患者専用の診察室と待合室を設けました。もともと、インフルエンザなどの感染症の方と、それ以外の患者さんの診療は分けたほうがいいと考えていました。新型コロナウイルス感染症の流行時期には発熱の患者さんも多く、通常の患者さんも同時に対応しており感染リスクを考えると、とても大変でしたね。発熱の外来に関する診察時間を限定して発熱患者さんだけを診る時間を設ける方法もありましたが、直接来院される患者さんもあり、発熱しているのに再度後で受診するのも大変でしょう。当初はお車で来られた場合は車内で対応としていましたが、車内での診察では診きれない部分もあるため、発熱患者専用の診察室と待合室を設けました。発熱は感染症だけに限った症状でもありませんし、風邪と一言で来院された場合でもまったく別の疾患の場合もあるため、先入観を持たずにできるだけ見逃しのないように意識して発熱時の外来をおこなっています。

これまで勤務されてきた総合病院と違う点について教えてください。

やはり、総合病院ではできることが多かったです。原因がわからない状態ならひとまず入院していただいて、様子を見ながらじっくり診断していくこともできました。でもクリニックでは様子を見るべきか、専門病院に紹介したほうが良いのか、すぐに見極めなければなりません。専門分野が細分化されている病院とは異なり、総合的な視点で患者さんを診なければならない難しさがあります。その為にできるだけよく話を聞いたり、かかりつけ医として付き合いが長くなっていく分、患者さんの細かな変化を見逃さないようにしてあげたいと思います。かかりつけ医は、患者さんと密に接することができるのが何よりも魅力ですので。まだまだ地域医療とはなにか?と聞かれた場合はっきり答えられないのですが、開業医として、これから地域との関わり方も模索していきたいです。

一般的な消化器の症状から治らない病まで向き合いたい

消化器内科を専門にされたきっかけは何でしょうか?

なかなか専攻が決められず、ひとまず麻酔科なら全身が診られると思い、東京の病院で麻酔科に入局しました。しかし直接患者さんと接する中でやはり内科をやりたいという思いが強くなり、地元で働こうと決めて帰省しました。その時にご縁のあった先生が消化器内科だったため、消化器内科に入局しました。消化器内科では胃がんや大腸がんなどの診療に携わることも多く、さまざまな経験が得られました。その中で、どうしても治らない患者さんにも出会いました。治すために病気を診ることは医師として当然やらなければならないことですが、現在の医療では治らない病気も当然あります。医師として治らない病気でも患者さんに応じた医療を行っていく必要を感じていました。

現在も、消化器内科でのご経験を診療に生かしているそうですね。

口径が細い経鼻タイプの内視鏡を用いた胃カメラ検査を行っています。あと非常に多いのが、便秘のお悩みです。おなかが痛い・張りを感じる、すっきりしないなど症状のある方は、必要に応じてその場で腹部超音波検査やCT検査などを行い診断します。便秘にはいろいろなタイプがあり、数日間便が出ない典型的な便秘もあれば、毎日便は出ているのにおなかがすっきりしない「隠れ便秘」の方もいます。隠れ便秘の方のCT検査結果を見ると、便秘の自覚はないものの、腸内に便が残っていることがあるんですよ。原因は便が硬い・押し出す力がない・腸が伸びている・腸が細くなっているなどさまざまです。原因に応じて治療方法が変わる場合もあります。便秘が習慣になり悪化すると、さらなる病気の要因ともなるので、早期に治療することが大切です。ただの便秘と思っていたら大腸がんだったということもありますから、気になることがあれば相談してください。

治療に漢方も使われるそうですね。

当院では西洋の薬も漢方製剤もいろいろ種類の薬を処方しています。前院長の工藤先生が専門に学ばれていた漢方をご希望される患者さんも多いです。僕も漢方については工藤先生から教わったのですが、これからも、もっと学んでいきたいですね。西洋の薬だと、診断がつかないと処方できません。しかし漢方の場合は、患者さんの訴える症状に対して処方できることが特徴の1つです。診断がつくまでつらい状態を我慢していただくのはどうかなと思っていますので、つらい症状に対してひとまず漢方を処方する方法もあります。

患者一人ひとりに丁寧に向き合い、話しやすい環境を

診療方針をお聞かせください。

多くの患者さんを診るよりも、一人ひとりの患者さんをとにかく丁寧に診ることです。当たり前だと思いますが、初診の方も若い方も、1回ずつしっかりと向き合おうと心がけています。患者さんが多い時でもしっかり問診をして、できるだけ話を聞くようにしようと思っています。患者さんと丁寧に向き合っていると、主訴以外のお悩みを相談してくれる方もいるんですよ。そして受診後はどのようにしたらよいかを丁寧に説明するように心がけています。説明が不十分だと受診後に患者さんはどうしたら良いのかわからない方も少なくないでしょう。そのため「薬で改善が見られなかったら、1週間後にまた来てください」「〇日後に良くなったか確認したほうが良いので受診して下さい」など、具体的に話すようにしています。患者さんが自分の状況を把握して、今後どのようにしていけば良いのかをわかった状態で帰ってもらえればと思っています。

診療ではどんなことを心がけていますか?

かかりつけ医として、できるだけ患者さんの変化に気づかなければならないと思っています。顔色が悪い・痩せたとか、本人があまり意識していないことにも気づいてあげたいですね。そのためには時間とコミュニケーションが必要です。患者さんの仕事・家庭環境・経済状況などに応じた診療をするため、いろいろな背景を知ることも必要です。患者さんの中には仕事の都合ですぐに治療を始められない方もいますし、とりあえず症状だけを抑えてほしい方もいるので、許容できる範囲で患者さんの希望に沿って柔軟な対応ができるよう心がけています。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

院長を継承してから5年ほどたったので、自分も地域の患者さんも少しずつですが慣れてきてくれたのではないでしょうか。当院と患者さんの関係を引き継ぐ役割は概ねできたと思いますので、これからは前院長のイメージを壊さないようにしながら、僕自身と患者さんの関係を築いていきたいです。また、より患者さんに快適な空間をつくっていけたらと考えています。消化器内科に限らず、内科全般を診療しますので気軽に寄ってほしいですね。治療でなくても「親戚がこんなことを言われたのですが」「この薬で良いのか知りたい」という相談でも構いません。「こんなことでかかっていいの?」と、あまり心配なさらずにお越しください。

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    最寄駅 手力駅 長森駅
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