面接や、履歴書などの書類を作るとき、日本語を間違って使ってしまうと、恥ずかしいだけでなく相手に不信感を与えてしまう可能性があります。
入職した後をイメージし、「患者さんにも間違った言葉を使ってしまいそう」と思われてしまうことは十分にあり得るためです。
この記事では、間違いやすい日本語をピックアップしました。ちょっとした言い間違い・使い間違いで印象を悪くしないために、ぜひ正しい使い方を覚えておきましょう。
1 やりがち!「情けは人のためならず」の誤用例
以下の面接シーンを見てみましょう。
実はこの使用例は、典型的な誤用例。
2022年度(令和4年度)に文化庁が行った「国語に関する世論調査」では、何と半数近くの人が「情けは人のためならず」を、上記のように「人に情けをかけて助けることは、結局はその人のためにならない」という意味で使っているという結果になったとか。
正しい意味は何なのでしょうか。
本来は、「人にした親切は、その人のためだけでなく、巡り巡って自分に戻ってくる」という意味で、むしろ「情け=親切、思いやり」を肯定的に捉えた言葉です。
そのため、「入居者さまのためにあえて過度なサポート(ある意味では親切)はしなかった」という、上記のエピソードでは不適切といえるでしょう。
2 「情けは人のためならず」の由来
所説ありますが、鎌倉時代に誕生した「曽我物語」が由来だといわれています。
さらに、「情けは人のためならず」という言葉は、これで終わりではありません。「巡り巡って己がため」と続くのです。このままことわざになっていれば、今のように誤用されることはなかったかもしれませんね。
3 「情けは人のためならず」はどう使う?
では、面接などのシーンで、どのように使うのが正しいのでしょうか。
例えば「私の座右の銘は、『情けは人のためならず』です。誰か困っている人がいたら、別の職種でも助けるようにしています」といった使い方が適切でしょう。
ポジティブなことわざなので、座右の銘だけでなく「大事にしている考え方」などでも応用が利きそうですね。
4 面接対策や書類の相談にはエージェントの活用を
面接や書類での日本語間違いをしないためには、第三者目線での面接対策や書類のチェックが有用です。転職エージェント「ドクターズ・ファイル エージェント」ではキャリア・アドバイザーの面接指導を受けることができます。
ぜひご活用ください。(ドクターズ・ファイル編集部)
~面接でのワンシーン~
ドクター「以前の職場での仕事で、大切にされていたことは何ですか?」
応募者「はい。前職は介護施設で勤務していたのですが、入所者さまの行動すべてを助けるのではなく、自立をめざしてサポートすることに気をつけていました。過度なサポートは自立を妨げるので、まさに情けは人のためならずだと感じています」
ドクター「え?(……この人、日本語知らないかも……)」